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2010年8月7日 コゲラの会都立水元公園夜間観察会

  • お祭り状態
    暑い夏です。水元公園は夜を迎え風が心地よくなりましたが、林の中は湿度が高かったです。残念ながら昨年に続いてのノコギリクワガタ観察にはいたりませんでしたが、クツワムシの大量発生を確認できました。東京23区内ですよ。

環境浄化植物

  • 2010/5/10
    環境浄化植物「サンパチェンス」を一人でも多くの人に知ってもらうため、ここではサンパチェンスのことをちょっとだけ詳しく紹介していこうと思います。

第二回エコツーリズム

  • Park2odaiba_019
    2010年3月28日に実施された第二回エコツーリズムミステリーツアー(浜離宮庭園とお台場第六台場)のカワウ探求ツアーです。

第一回エコツーリズムin水元公園

  • Img_8958
    水元公園で行われたタカエコ・橋本プロの自然観察会の写真集です。

2009 かつしかっ子探検隊

  • Takasagowoodstock2009_017
    2009/10/10 荒川河川敷自然公園、天高く馬肥ゆる秋、秋空の下、かつしかっ子探検隊(葛飾区環境部環境保全課主催)が開催されました。 講師は、タカエコ(福岡清治郎)とプロ自然案内人の橋本浩基さんです。 当日のプログラム ・植物たちの越冬戦略 - くっき虫を探してみよう -  コセンダングサ・アメリカセンダングサ・オオモナモミ等多数 ・秋の虫観察  コオロギ・バッタ類、カマキリ等 ・秋のギフト  六つの部屋のある箱にグループ毎に色々な自然の贈り物を詰め込みました。

2009年8月8日 コゲラの会都立水元公園夜間観察会

  • ウスバカミキリ
    コゲラの会に講師として招かれたタカエコ。午後三時よりクヌギの木にトラップを仕掛けます。果たして結果は?

スプリングエフェメラル

  • アズマイチゲ
                       

わたしにできること

  • 省エネ家電の導入
    身近な工夫から新エネルギーを使用した大きな提言まで、エコカルタも含めて収録してあります。ぜひ、今から実行してください。

東京23区秋の鳴く虫観察会

  • カネタタキ
    東京23区内でも十数種の鳴く虫を楽しむことができます。 聞きなしは、習うより慣れろで、場数を踏むしかありません。 生息環境、住み分けを知っていればこの半分はわかります。 頭上の樹木にいるマンション族、これはアオマツムシだけです。 腰から頭くらいの中層の住人、これらは、カンタンとカネタタキだけです。残りのほとんどが地面にいるジベタリアンです。 秋の夜長をお楽しみください。

タカエコ映像集

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都会のナチュラリスト入門講座ー土手・街のバッタたち

  • スズムシ
    バッタ・コオロギ・カマキリinTokyo23区

タカエコの都会のナチュラリスト養成講座・野鳥編

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タカエコの都会のナチュラリスト養成講座・虫たちの越冬戦略編PART1

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タカエコの都会のナチュラリスト養成講座・食い物編

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タカエコの都会のナチュラリスト養成講座 むしたちの越冬戦略 PART2

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タカエコのナチュラリスト講座ー知ってて欲しい帰化動物たち

  • ワカケホンセンインコ
    多くの移入種が、帰化動物となって生態系に脅威を与えている現状を理解しましょう。 タカエコトッブページへは、左上アドレスをクリック!

都会のナチュラリスト入門講座ー都会のセミ事情

  • 羽化殻
    都会(東京23区)のセミは6種類 何がいるのかな? 2008年近況 5月の低温・多雨を受けて、アブラゼミ・ミンミンゼミが数を減らしています。湿地の好きなニイニイゼミは逆に数を増やしています。 ツクツクボウシも例年より一週間程、早く出ています。 出前講座の受付は、以下まで! takaeco1@w5.dion.ne.jp 2008年度は満杯でお受けできません。来年の予約は承ります。

動物たちの事件簿・生態系編

  • ハリネズミ
    生態系のピラミッド 底辺が狂ったり、最上部がいなくなったりで崩壊の危機。 見て、実証してください。 報告は、以下へ。 takaeco1@mcn.ne.jp

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世界一不思議な場所・東京都上野不忍池

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ごみ問題

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  • 街並みウォッチング終了
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2007年 中央区環境講座

  • 2008年7月3日の講座1
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葛飾区・自然環境レポーター・50の生物指標

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地球崩壊 - 人類への警鐘 -

  • UCLA サットン教授の講義
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Google Earthの学習利用・講座利用の考察

  • フードマイレージ
    Google Earthの小中学校の総合的な学習の時間、多岐にわたる授業への活用、市民講座・環境講座への利用など、活用方法を考察していきます。新しい展開と手法なので、概略を紹介しますが、データが蓄積され次第、詳しい記述を書き足していきます。

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安全?危険?電磁波

2008年8月 4日 (月)

商社大手、欧で太陽光発電に積極投資 助成制度が追い風

Tky200808030276 三井物産がスペインで買収した太陽光発電事業=スペイン・カタルーニャ地方

 総合商社大手が、欧州で太陽光発電事業への投資を急いでいる。太陽光で発電した電力を、有利な条件で売れる助成制度を活用。環境意識の高まりを追い風に、日本に先行して拡大する成長市場で長期的な収益の柱に育てるねらいだ。

 三井物産は7月末、30%を出資する英投資組合を通じ、スペインのカタルーニャ地方で約100キロワットの発電設備を買収した。将来的には1460キロワットまで発電量が増え、約380世帯の電力を賄えるという。

 欧州では、太陽光発電による電力を電力会社などが割増価格で買い取ることを保証する「フィードイン・タリフ」(固定価格買い取り制度)が普及している。火力など既存の発電より割高な太陽光でも利益を出せるようになり、発電量が1メガワット(1千キロワット)を超える「メガソーラーパーク」の建設が相次ぐ。

 日本の商社各社は従来、国内メーカーとの取引を中心に太陽光発電の原材料調達から発電パネルの販売までを幅広く手がけてきた。経験の蓄えが、海外での太陽光発電事業でも生かせると見込んでいる。

 住友商事は5月、スペインのカナリア諸島で9メガワット規模の太陽光発電に乗り出すと発表した。総事業費は約85億円で、08年後半の操業開始を目指す。

 伊藤忠商事も5月、太陽光発電設備の開発を請け負うノルウェーのスカテック・ソーラー社へ13億円を出資。今後、ドイツやチェコ、ブルガリアなどで大型ソーラーパークを建設して販売する事業を始める。10年には、1年間で130メガワット規模の販売量を目指すという。

 「低炭素社会」を目標に掲げる日本政府も今後、太陽光発電への後押しを強めることが見込まれる。各商社は海外での経験を近い将来、国内へ「逆輸入」出来るとみて、電力会社などへ働きかける構えだ。(斎藤徳彦) Asashi.com

タカエコの提言

 まず、太陽光発電、電力の量り売り、そして、電力を貯蓄という三点を考える。太陽光発電に関しては、現在のゴビ砂漠にすべてひきつめれば地球の需給量の120%をまかなえると言われている。可能か、可能である。国際的なプロジェクトが立てば、砂漠との戦いだけで、しかし、別にここに設置する必要はない。

 設置に対して安価であれば民生部分の導入は加速する。新規分譲に対して助成と義務化も必要だろう。

 それに加え、電力会社の買い上げが、着実に、差別無く、電線の配備整備費用の自己負担などを国が手助けすれば相当数が参加する。

 電力の貯蓄の問題点は、未だに解決されていない。これに関しては、タカエコは特集を組むと思う。弊害もまだまだ疑問有りだが、有効なエネルギー供給源であることには違いが無く、ソーラーの無限のエネルギーをどれだけ活用できるかが今後の課題である。整備されている電線の利用、償却年数の保障など、問題は山積しているが、日本国政府は、今後、この問題に関して世界の模範となる主導性を発揮すべきで、関連産業に対するイニシアティブをとるべきで、商社のように右から左に流すという問題ではない。今後の主要産業になるのは間違いない。

タカエコ小 タカエコ Q タカエコ

2007年1月21日 (日)

(5)リスクの有無より対策を


人気のIHクッキングヒーター。調理台から約20センチの位置で33.8ミリ・ガウス(3.38μT)の値が出た(東京・西東京市で、江口聡子撮影)

 スイッチを押す。2、3分で、鍋の水がぐつぐつ沸騰し始めた。東京・西東京市の主婦(72)は、「火力は意外と強いし、使い方も簡単なの」と、台所の「IHクッキングヒーター」を操作してみせた。

 内部のコイルに電流を流し、磁力を発生させて鍋を加熱する仕組み。ほかの家電製品より強い電磁波を出す。メーカーによって異なるが、2004年度の国立環境研究所の調査では、調理器から10センチで3・9~89μT(マイクロ・テスラ)、30センチで0・7~11・3μTだった。

 国民生活センターには5年前から、IHクッキングヒーターに関する問い合わせが計421件寄せられた。このうち、体調不良を訴えた事例が27件。「使用後に目まいを感じ、4日間入院した」「血圧が上昇し、耳の付け根が痛くなる」などの相談があった。暮しの手帖誌が3年前、IHクッキングヒーターの電磁波を取り上げた特集は反響を呼び、特集を収録した小冊子150万部が刷られた。

 調理器から出る電磁波は、国際機関のガイドラインの100μT(50ヘルツ時)を下回る。業界団体の日本電機工業会は「健康被害の心配はない」としているが、気になるなら、長時間使わないことや、一定距離を保って使うことを助言する。

 今年度の出荷台数見込みは、8年前の8・5倍にあたる82万台。高齢者の増加に伴い、「火を使わない安全な調理器」と注目されるほか、すべてを電気でまかなう「オール電化」を電力会社が売り込んでいることも販売増に拍車をかける。

                       ◇

 英国では、電磁波対策をめぐり、新しい試みが始まっている。英国政府は04年11月、40団体をメンバーとする「超低周波電磁波に関する利害関係者助言グループ(SAGE)」を設置。電磁波のリスクについて、国と産業界、国民の間で情報を共有し、話し合うのがねらいで、保健省や電力会社、家電業界団体のほか、小児がん患者の会や高圧線建設反対の住民団体も加わる。

 議論の中身は、身近な電磁波をめぐる具体的な対策だ。送電線と建物の距離はどれくらい離すべきか、電磁波を減らす技術的手段はあるのか。市民団体「パワーウオッチ」のアラスデア・フィリップス代表は、「影響の有無を議論している段階ではない。どんな対策がとれるか、率直な意見交換が重要だ」と話す。

 背景には、BSE(牛海綿状脳症)問題への反省がある。英国をはじめ欧州では80年代、科学的知見が不十分なまま牛肉の安全性を強調し、健康被害を拡大させた。国が情報を一元的に管理して判断したことも事態の悪化を招いた。英健康保護局のマイケル・クラーク博士は「BSE問題以降、『リスクは全くない』と断言する科学者は一人もいなくなった」と言う。

 日本はどうあるべきか。

 WHO専門研究員の大久保千代次氏は「政府と国民がリスク情報を共有することが大事だ。身の回りのあらゆるところにリスクはある。『絶対な安全』は存在しないことに、まず気づく必要がある」と指摘する。

 国際連合大学の安井至副学長は、提言する。「電磁波は危険か安全か、という二項対立は不毛。送電線の撤去や地下埋設ばかりが対策ではない。送電線近くに子供部屋を置かないとか、電磁波との関係が指摘される小児白血病患者の治療費を電気利用者が積み立てて支援するとか、みんなで知恵を絞れば色々な対策や仕組みが考えられるはずだ」(この連載は、地方部・高倉正樹、編集委員・河野博子が担当しました)

(2006年11月11日  読売新聞)

2007年1月20日 (土)

(4)送電線VS住民 埋まらぬ溝


送電線や鉄塔が集中する街は珍しくない(東京都内で、江口聡子撮影)

 住宅地に鉄塔が立ち並ぶ東京・東大和市。「送電線銀座」と呼ばれる街に、小川隆志さん(47)の一家5人が住んでいる。

 2階建ての小川さん宅の3・8メートル上空を、6万6000ボルトの送電線が斜めに横切っていた。電線の下は建築上の利用制限がかかるため、割安で購入した家だ。

 1993年10月、長男の健一君(当時7歳)が貧血で倒れ、急性骨髄性白血病と診断されて入院した。「電磁波が原因じゃないの」。近所の主婦に言われ、妻の博子さん(50)はそれまで気に留めなかった送電線が気になり出した。

 翌年7月、送電ルート変更工事の一環として、送電線と鉄塔1基が撤去された。健一君は翌月退院し、2学期から学校に復帰した。

 その後、夫妻は送電線の件を忘れようと努めているが、今でも「息子の病気は電磁波のせいだったのではないか」との思いが残る。

                          ◇

 全国の電力10社でつくる電気事業連合会(電事連)は、「因果関係は、動物実験や細胞実験も併せて評価し、総合的に判断を下す必要がある」と指摘する。10社の97年の共同研究では、ヒトの白血病や脳腫瘍(しゅよう)などの細胞に最大500μT(マイクロ・テスラ)の電磁波を3日間当てたが、がん細胞の増殖に影響は見られなかった。

 電力中央研究所(電中研)でも、84年から動物実験を続ける。米国エネルギー省との共同研究では、ヒヒを使い、電磁波が中枢神経系ホルモンに影響を与えるかどうかを調べた。細胞実験を含む17件の結果は、ほぼすべて「影響なし」だった。「今のところ、環境中の電磁波が健康に悪影響を及ぼすという科学的証拠はない」としたうえで、今後も研究を続けるという。

 「安全であることを証明するには、無限の努力が必要」。ある電力会社の社員はため息交じりに漏らす。

 人は自らの先入観や信念に有利な情報を選ぶ傾向がある。電磁波の健康影響を巡る様々な研究の成果にはシロ、クロ両方あるが、「健康に有害」と考える住民は、無意識にクロの結論を集めがちだ。

                         ◇

 電磁波問題に取り組む市民団体「ガウスネットワーク」によると、これまでに全国で起きた送電線建設反対運動は29件。また、長野県北御牧村(現東御市)など4か所で、健康被害などを争点に送電線撤去を求める民事訴訟が起こされた。勝訴判決は1件もない。

 電事連は「電力会社は住民の不安を解消するため、問い合わせに真摯(しんし)に対応している」とする。しかし、現場ではしばしば、「健康への影響はない」と繰り返す電力会社側と、不安を訴える住民側が対立する構図が見られる。

 東京・日野市では2002年5月、高幡不動変電所建設を巡って近隣住民と東京電力が対立。健康への影響を懸念する住民が説明会を求めたが、東電側が工事を強行したため、市が「工事の2か月延期と住民との徹底協議」を要請する騒ぎになった。計18回開かれた説明会でも、「納得のいく説明を」と求める住民側と「電磁波は安全」と繰り返す東電との話し合いは平行線をたどった。

 工事は続けられ、変電所は昨年7月に完成した。近隣の主婦は「今は被害はないが、何十年後はわからない。この地域には小さい子も多いし」と納得がいかない様子だ。

 住民に不安が残る限り、電力会社との間の溝は、埋まらない。

(2006年11月10日  読売新聞)

2007年1月19日 (金)

(3)葬られた疫学からの警鐘


議論の的となった疫学研究を率いた国立環境研究所の兜氏(遺族提供)

 先月10日、国立環境研究所の上級主席研究員、兜真徳(かぶとみちのり)氏が悪性リンパ腫(しゅ)で亡くなった。58歳だった。

 電磁波の健康影響を研究してきた。1999年から、同研究所をはじめ、国立がんセンター、自治医大など11機関・大学の研究者が参加した大がかりな疫学研究の代表者を務めた。

 全国の小児白血病患者312人の子供部屋の電磁波の強さを1週間にわたり計測する一方、603人の健康な子供を同じ居住地から抽出して同様に電磁波を計測。白血病と電磁波の関連を比較分析し、「0・4μT(マイクロ・テスラ)以上の居住環境で過ごした場合、小児白血病にかかる割合は2・6倍に上昇する」との結果をまとめた。

 研究は、文科省の科学技術振興調整費から総額7億2125万円を得て行われた。だが、3年目の中間評価で中止が決まり、翌2002年11月の最終評価で、目標達成度など10項目すべてで最低の「C評価」が下され、終止符が打たれた。

 評価文書は、「小児白血病患者の症例数が少なすぎる」「電磁波以外の要因が影響している可能性がある」と問題点を列挙し、「科学的価値は低く、研究の結果が一般化できるとは判断できない」と断じている。

 評価の際には、14人の研究評価委員を前に、兜氏が説明し、質問に答えた。「説明が下手だった点もあるが、何か個人的うらみでもあるのか、と思うほどひどい突っ込まれようだった」と同席した共同研究者らは振り返る。

 「使った金と発表された成果が釣り合わない、という非難の空気が支配的だった。疫学研究への無理解も背景にあった」と証言する委員もいる。人の集団で病気を引き起こす原因を調べる疫学は、コレラ感染や喫煙の影響解明に大きな役割を果たした。しかし、人、金、時間がかかるうえ、常に明確な結論が出るわけではないという難しさがある。

 当時、文科省の科学技術振興調整費室長だった土橋久・同省地震・防災研究課長は「評価委員の座長と打ち合わせをし、入念に準備した。事務局として相当勉強した。『なんでこんな研究をやらせたんだ』と批判されますから。多額の税金を使ってね。だから力を入れて評価に臨んだんです」と明かす。

 評価が下る3か月前、朝日新聞が1面トップで兜氏らの研究を報じた。

 波紋が広がる。当時の原子力安全・保安院電力安全課長は、「兜氏も含め、専門家を呼んで勉強会を開いた」と言う。評価を担当した文科省の係長は、今も憤りを隠さない。「兜氏は雑誌で、『電磁波の健康被害はある。危ない』ということを根拠なく話していた。科学者としての資質に疑問を感じた」

 科学技術振興調整費による研究評価は、01~05年度で計478件。オールC評価は、この1件だけだ。

 電力10社のうち3社が、ホームページでこの評価を紹介する。九州電力はQ&Aコーナーで、四国電力は「疫学研究の例」の中で、それぞれオールCの成績表付きで、詳細を載せる。

 生前、兜氏は、繰り返し語った。「電磁波の問題は、不安ばかりが先行し、正確に認知されていない。環境リスクに対し、日本人の意識は甘い。国や業界が『寝た子を起こすな』という姿勢なのも原因だ」

 今年8月、審査を経て論文を掲載する専門誌「国際がんジャーナル」に、兜氏らの論文が載った。WHOが来春出す環境保健基準の文書にも、主な研究成果の一つとして盛り込まれる。

 「間に合ってよかった」。兜氏の葬儀で、共同研究者らはほっとしながらも複雑な思いをかみしめた。

(2006年11月9日  読売新聞)

2007年1月18日 (木)

(2)ハトの方向感覚狂う?

帰ってこないレースバトが世界中で増えている(英チェルテナムで、高倉正樹撮影)

 世界に根強いファンを持つハトレースで、異変が起きている。

 ロンドンから西に130キロの小都市チェルテナム。レース歴60年のボブ・オートンさん(72)の庭にある小さな鳩舎(きゅうしゃ)には、空きかごが目立つ。

 「今年のレースに出場した40羽のうち、無事帰ってきたのは22羽。ここにいるのは幸運にも迷子にならなかったハトたちだよ」。浮かない顔でオートンさんがつぶやいた。

 ハトレースは、一定距離までハトを運んで空に放ち、帰巣本能を使って鳩舎に戻る速度を競う。かつて7~8割だった英国のハトの帰還率は近年、5割程度に落ち込んでいる。今年9月、1000羽が参加した大規模レースの最終帰還率は33%だった。

 日本でも同様の現象が起きている。今春の中距離レース(沼津~仙台間)で、仙台南部競翔連合会の鳩舎のハトは1628羽中、約950羽しか帰らなかった。春レースには前年秋のレースで帰還したハトを出すのが習わしだが、最近は秋で全滅し、翌春に1羽も出せない鳩舎も珍しくない。

 帰還率低下の理由として英国最大の愛好家組織「王立ハトレース協会」のピーター・ブライアント会長が挙げるのが、携帯電話やその基地局の電磁波だ。「迷いバトが目立って増えてきたのが10年前。ちょうど携帯電話が全英に普及した時期と重なる」。日本鳩レース協会(東京)の宮本祥男専務理事も、猛きん類の捕食を指摘しつつ、「携帯電話の普及は相当影響しているだろう」とみる。

 携帯電話が発する高周波の総量は「技術的に計測困難」(WHO)。だが、総務省電波環境課は「携帯電話の基地局や人工衛星局などの無線局は昨年までの55年間で5000局から1億局に増えた。生活空間の電磁波の密度は急激に高まっている」と指摘する。

 レースの最中に地震やオーロラが発生すると地球の磁場が乱れ、帰還率が落ちることはよく知られる。ハトは視覚やにおいのほか、磁気も感知して巣に戻る。慶応大の渡辺茂教授(生物心理学)は、電磁波が「ハトの方向感覚を狂わせる可能性は高い」と言う。

 人体への影響はどうか。

 「幼いころから高周波にさらされる若い世代への悪影響は否定できない」。英国政府から研究を委託された独立専門家グループは2000年5月、こう結論づけ、〈1〉子どもの携帯電話の使用をできるだけ抑制すること〈2〉携帯電話業界は子ども向けの宣伝を控えること――を勧告した。

 高周波は体内に吸収され、熱が生じる。携帯電話を耳につけて使うと、頭部深さ1センチほどが熱くなる。総務省は1990年、健康に悪影響を及ぼさないよう電磁波の強さを一定の規制値以下に抑えるガイドラインをまとめ、02年6月に電波法の省令を改正した。

 国際機関の規制値と同じこの数値以下なら安心という訳でもない。「同じ側の耳で10年間携帯電話を使った場合、聴神経腫瘍(しゅよう)の危険が増す」というスウェーデンのカロリンスカ研究所による疫学調査の結果もある。

 東京女子医大の山口直人教授らが2000~04年に行った調査では、携帯電話と聴神経腫瘍との関連は確認できなかった。同教授は、長期にわたる影響を引き続き調べる必要があるとしている。

〈携帯電話〉 自動車電話から発展した最初の携帯電話が国内で発売されたのは87年。高周波を使い、最も近い基地局を経由して通話する。混線防止のため周波数は電話会社ごとに異なる。携帯電話(PHSを含む)の今年6月の加入契約数は9763万件で、15年前に比べ70倍増。特に90年代半ばから急増し、2000年に固定電話の契約数を抜いた。米市場調査会社によると、世界の携帯電話契約者は今年末で25億人に達する見込み。

(2006年11月8日  読売新聞)

2007年1月17日 (水)

(1)オランダでは一時“疎開”

小学校に隣接する変電所。右に稲妻マークが見える(オランダ・アムステルダムで、高倉正樹撮影)

 赤レンガの2階建て校舎から、児童たちが勢いよく飛び出してきた。午後0時半。迎えにきた母親に抱きついたり、友達とじゃれ合ったり、にぎやかな声が響く。運河が縦横に走るアムステルダムの中心部にあるクレイヌ・レーウス小学校。いつもの下校風景が戻ったのは、半年前のことだ。

 すべては学校の裏手に住む母親が抱いた、「隣の変電所は安全なのかしら」という疑問に始まった。

 変電所は、289人の全校児童が毎日通る玄関のすぐ東隣にある。小3の長男と小2の長女を学校に通わせる母親は兄に相談し、電磁波問題に取り組む市民団体のウェブサイトにたどり着いた。スウェーデンのカロリンスカ研究所による1992年の報告を見つけた。「送電線からの電磁波が0・3μT(マイクロ・テスラ)以上の場所では小児白血病の発症率が3・8倍に高まる」という。

 周囲の保護者とともに、昨年9月、学校側に相談。これを受け、アニヤ・ホーセンス教頭(43)は、校内の電磁波の測定を専門業者に依頼した。

 すると、変電所に最も近い2階の教室で0・4μT、玄関脇の遊具付近では1・6μTが計測された。学校は翌10月、変電所寄りの教室など2部屋を使っていた4年生などの児童を150メートル離れた別棟の校舎に移した。遊具も撤去された。

 「親の不安を深刻に受け止め、緊急避難的に対処した」とホーセンス教頭は説明する。4年生の長男を持つ父ピム・ボウマンさん(40)も、「たとえ小さなリスクでも可能な限り避けたい、というのが子を持つ親の率直な願いだ」と話す。

 その後も保護者側は学校や市、電力会社と協議を重ね、施設に遮へい設備を導入することで決着した。工事は今年5月に終了。2階の教室内で0・2μTに半減したことを確認し、児童らは7か月ぶりに元の校舎に戻った。7万ユーロ(約990万円)の工事費は市が全額負担した。

 電磁波と小児白血病との関係は79年、発症率が高まる可能性を示した米の疫学調査をきっかけに注目され始めた。1073の症例を集めた最大規模の調査(英国、99年)では、「電磁波0・4μT以上で1・6倍」という結果が出ている。

 オランダ政府は昨年10月、「15歳以下の子どもが長時間過ごす学校や保育園で0・4μT以上の電磁波が生じる状況は極力避けるべきだ」と地方自治体や電力会社に勧告した。アムステルダムの小学校は、勧告に基づき自治体が対応した「第一号」となった。

 しかし、健康影響の有無ははっきりしない。動物実験や細胞実験では発がんが裏付けられていないうえ、疫学調査の結果に疑問を投げかける研究者もいる。

 世界保健機関(WHO)は96年、「国際電磁界プロジェクト」をスタートさせた。日本を含む60か国の研究者が参加。送電線や家電製品が発する超低周波については、具体的な対策などを盛り込んだ「環境保健基準」を来春まとめる。

 オランダ、スイス、イタリアなどは一足先に独自の規制を導入した。多くの国は、WHOの動向を注目している。

 安全なのか。危険なのか。身の回りの電磁波の健康影響をめぐり、国内外の動きを追った。

〈電磁波〉 電気と磁気両方の性質を持つ波。太陽光や紫外線、診断や治療用のエックス線やガンマ線、電子レンジのマイクロ波、赤外線、テレビ・ラジオの電波などを含む。波長の違いにより作用が異なる。エックス線などは波長が短くて周波数(1秒間に繰り返す波の数)が高く、エネルギーが強い。送配電線などから出る超低周波や携帯電話の高周波は、長期的な健康影響が議論されている。

(2006年11月7日  読売新聞)

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