生命つなぐ新薬の宝庫〈サンゴからの警告5〉
サンゴを調査する富野小学校の児童たち。干潮の時間にあわせ、学校近くのサンゴの健康状態をチェックしている=沖縄県石垣市で
沖縄のサンゴ礁で駆除されたオニヒトデをバラバラに砕き、メタノールに浸す。その茶色いスープをフィルターで濾過(ろか)し、精製を繰り返す。
名古屋大学の小鹿一(おじかまこと)教授(天然物化学)の実験室では、オニヒトデから新薬の候補を抽出する作業が進められている。
この抽出物を使った実験で、老化したマウスの記憶力改善に一定の効果がみられた。研究グループは、アルツハイマー病の治療薬開発につながるのでは、と期待する。
海洋生物を使った医薬品開発は、50年代にサンゴ礁域のカイメンから見つかった特異な化合物がきっかけだった。その後、抗がん剤や抗ウイルス剤が生まれた。04年にはサンゴ礁にすむイモガイ類から開発された鎮痛剤が、米国で承認された。小鹿さんも複数の特許を出願している。
新薬の開発には時間と金がかかる。製薬会社には手を引くところも出ている。だが、北海道大学の伏谷伸宏客員教授(海洋天然物化学)は「有用物質の資源としてサンゴ礁の魅力が減ったわけではない」という。
サンゴ礁の面積は、世界の海の約0.2%にすぎない。だが、海産魚種の4分の1がそこに生息するといわれる。新薬の宝庫としての価値はごく一部だが、サンゴの役割を私たちに伝えてくれるいい例だ。
沖縄県石垣市の富野小学校では、3~6年の児童7人が、近くの海岸で育つサンゴに名前を付け、「マイサンゴ」として観察を続けている。
中原康成教諭(51)は「サンゴがなくなると、いろんな生物がいなくなって人間にも影響が出るんだ」と説明する。
今月2日、観察していた子どもたちが「私のサンゴが白くなっている」と次々に声を上げた。干潮時の礁内の水温は37度。白化が始まっていた。
周辺の浅瀬では珍しいことではないが、高水温が続けば死滅することもある。子どもたちはサンゴの回復を祈りながら観察を続けている。
(編集委員・石井徹 山本智之) Asashi.com











先月、石垣島へ行きました。主人の希望もあり、しらほさんご村へ。サンゴの現状、ビデオと資料で拝見し、衝撃を受けました。
地球の温暖化は進む一方。それに伴い、生物を初め、動植物にも変化が見られていることは知ってはいましたが、具体的に映像や写真、データなどで示されると、手遅れになる前に、何か手を打たなければいけないという気持ちになりました。一人一人ができることは小さいかもしれませんが、地球規模で取り組めば、いい結果を生むことができると思います。多くの人々に、そのことに気づいてもらいたいと、切に願っています。
投稿 ぴろろ | 2008年5月29日 (木) 09時44分