保護目的に利用者制限〈サンゴからの警告4〉
沖縄・慶良間(けらま)諸島。梅雨末期の大雨にもかかわらず、海中はダイビング客でにぎわう。客の一人がカメラ片手にサンゴに手をかけた。ベテランガイドの阿武(あんの)靖士さん(54)は、すかさずやめるよう促した。
ここは、地元が「最重要保全区域」と位置づける海域。世界的にも有名なサンゴの海が広がる。このサンゴを目当てに年間40万人の観光客が訪れる。触ったり足ひれを引っかけたり、ダイバーの不注意が、サンゴを少しずつ傷つけている。
座間味(ざまみ)、渡嘉敷(とかしき)両村の業者らでつくる慶良間海域保全連合会は昨夏、ダイバーの潜水記録を回収し、海域ごとの経済効果を試算してみた。
すると、利用者が多く1カ所で年1億5000万円を稼ぎ出す海域では、サンゴが海底を覆っている割合を示す被度が、最近5年で67%から25%に激減していた。逆に利用者の少ない海域は、経済効果は年1400万円と小さいものの、被度は79%から60%に減った程度で比較的保たれていた。
観光だけが破壊の原因とは言えないが、地理に不案内なダイビング業者が、サンゴにいかりを引っかけて傷つけてしまうケースもある。
「サンゴの破壊は生活基盤が崩れること」と座間味村商工会の内間光さん(29)。島の経済の9割以上が、観光に依存している。
観光資源であるサンゴをいかに守るか。連合会がこの夏、世界的にも珍しい試みを始める。海域ごとに利用者数の上限を決める自主ルールだ。一つの海域で業者が連れて来られる客は1日30人まで、1週なら40人までなどと定めた。全体で年3600人に制限する案で協力を呼びかける。
座間味村では、住民会議を設けて、観光客らから1人100円程度を集める環境目的税の検討を始めた。来年から導入する可能性もある。
地球温暖化や新しい病気の脅威が忍び寄るなか、サンゴへのストレスを少しでも減らして、末永く利用しようと地域の模索が続く。
(須藤大輔) Asashi.com

















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