【コペンハーゲン=山口智久、井田香奈子】国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)は19日、2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組みの骨格を示した政治合意文書「コペンハーゲン合意」を採択できず、承認にとどめて閉幕した。焦点だった各国の温室効果ガス排出の削減義務づけは、来年末に向けて改めて合意をめざすことになった。
議長国デンマークはCOP15に先立ち、先進国と途上国の歩み寄りが難航することを見越して、法的拘束力のある新たな議定書の採択を断念した。その代わりにめざしたのが、COP史上初の首脳級会合を開き、政治意思によって拘束力を担保する合意文書の採択だった。
合意文書は、温室効果ガスの2大排出国である米国と中国、日本を含む二十数カ国で立案。だが、最後まで先進国と途上国の対立はとけず、全会一致が原則の採択は見送られた。数少ない途上国の反対に配慮し、COPとしての結論は「合意に留意するという決定を容認」となった。日本政府はこれを事実上の承認と説明している。
交渉決裂は何とか回避できたものの、その代償として温暖化をくい止めるのには不十分な内容となった。とりわけ、最大の焦点だった各国の20年までの削減目標の義務づけは盛り込むことができなかった。先進国は削減する総排出量の目標を掲げ、来年1月末までに一覧表に書き込むことになる。一方、途上国は排出量の削減率を明らかにすることも求められない。ただ、国連に2年に1度、排出量の状況を報告し、一覧表をつくる。
合意文書の承認による具体的な成果は、途上国支援策の前進だ。先進国は来年から12年まで年100億ドルを途上国に拠出することが事実上決まったことだ。また、20年までに官民あわせ年最大1千億ドルの拠出が可能になるよう努力する。
また、ポスト京都の枠組みづくりを話し合う国連作業部会は来年も存続することになった。各国の削減義務や途上国支援の仕組みをさらに具体化するための交渉が続く。ただ、来年末のCOP16に向けて、法的拘束力のある文書の採択をめざすと明示できなかった。
コペンハーゲン合意の原案は、主要先進国や一部の途上国で練り上げた上で、約190カ国の締約国で構成されるCOP総会に示された。南米諸国などが「原案づくりの経緯が不透明」と強く反発。COP15の最終日と定めていた18日をすぎても、議論がまとまらず、19日午前までずれ込んだ。議長を務めていたデンマークのラスムセン首相が合意を見送ろうとする一幕もあったが、副議長が議長の代役となり、合意文書の承認にこぎ着けた。
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